ニキビ・ニキビ跡についてAcne and acne scars
子供も大人も悩みをもつ”ニキビ”。
まず、ニキビ発症の原因と種類を知りましょう。
ニキビとは
主に思春期から青年期にかけてよくみられる、前額部(おでこ)、頬、口の周り、下あごなどにできる発疹のことで、正式名称は「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」といいます。ニキビができる原因は大きく分けて、①毛穴のつまり、②アクネ菌の増殖、③皮脂分泌の増加の3つだとされています。

ニキビを改善するための近道は、3つの原因に対してきちんと対処し、適切な治療を行うこと。誤った自己治療等は、ニキビの悪化やニキビ跡の原因となることも。ニキビ跡がクレーターのようになってしまうと、平らに治すのに時間がかかります。跡を残さずきれいに治すためにも、ニキビができたらが早めの受診がおすすめです。
ニキビの種類
ニキビの症状は人それぞれ。毛穴に皮脂が詰まった状態の初期のニキビ(コメド)や、炎症を起こして赤く腫れあがった重症のニキビ(赤ニキビ~黄ニキビ)など、症状や状態によって5種類に分けられます。
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マイクロコメド
何らかの原因で毛穴の出口が狭くなり、皮脂が詰まり始めた状態。目には見えない。
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白ニキビ
皮脂が毛穴に詰まった状態。ポツンとした白い点のように見える。皮膚の内側では、毛包が広がり、アクネ菌が増加し始めている。
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黒ニキビ
白ニキビが進行した状態。毛穴が開き、メラニン色素や酸化した皮脂などによって黒く見える。特におでこや小鼻などによく見られる。
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赤ニキビ
コメドが悪化し、炎症が起きた状態。痛みやかゆみ、熱感を感じる場合もある。一度赤ニキビになると再発することが多く、それによりクレーターや色素沈着を起こしてしまうことも。
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黄ニキビ
赤ニキビが悪化し、炎症が激しくなったニキビの最終段階。ブドウ球菌やアクネ菌が繁殖し、黄色っぽい膿が見える。毛穴の周囲の皮膚組織まで破壊されて真皮層まで傷ついてしまう。
ニキビの治療方法
ニキビの治療は、皮フ科の保険治療と美容皮フ科の自費治療があります。
治療内容や処方品が異なりますので、当クリニックでご相談の上、患者様一人一人にあった治療を行います。
- 保険治療
- 抗生剤や漢方薬の内服薬
- ベピオゲル、デュアックゲル、ディフェリンゲル、エピデュオゲル
- 自費治療(美容皮フ科)
- ケミカルピーリング
- ポテンツアニードル機器によるラジオ波治療
- イソトレチノインの内服
- VbeamⅡレーザーによる治療
ニキビ跡の種類
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● 赤いニキビ跡
ニキビの炎症が治まった後も赤みが残っている状態(炎症後紅斑)。ニキビが治る際に毛細血管が集まり、それが縮小せずに赤い状態で残っている。
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● 凹んだニキビ跡
(クレーター)重症化したニキビにより深い真皮まで炎症が起き、それが治る過程で皮下組織が凹んでしまった状態。
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● 盛り上がったニキビ跡
(瘢痕ケロイド)ケロイドになりやすい骨に近い部分(顎や胸、下腹部)のニキビが治まる過程で皮膚が盛り上がり、跡として残った状態。
ニキビ跡の治療方法
- 赤いニキビ跡
- ケミカルピーリング
- ポテンツアニードル
- ポテンツアポンピング
- VbeamⅡ
- 凹んだニキビ跡(クレーター)
- フラクショナルレーザー
- ダーマペン4
- ポテンツアポンピング
- 盛り上がったニキビ跡(瘢痕ケロイド)
- ステロイドのテープ
- 注射
フラクショナルレーザー(数回)で凹みを浅くした後、ダーマペンやポテンツアを行う方法をおすすめしています。
ニキビ・ニキビ跡の治療機器について
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ポテンツァ(POTENZA)
〔ポテンツァ(ニードル)治療について〕ポテンツァのニードルは極細の針からRF(ラジオ波)が出ます。ニキビの赤い部位に針を刺して皮膚表面は傷めずに皮膚の下の皮脂腺をRF(ラジオ波)で凝固させ、その後皮膚の下を再生させる治療です。ニキビの原因となる皮脂腺自体を凝固させるので、繰り返すニキビや新しいニキビ、ニキビ跡の治療に有効です。2〜3週間毎に3~5回程度行うことでニキビやニキビ跡が軽快します。
〔施術方法〕
・洗顔した後に行います。
・ディスポーザブルの極細の針をニキビの盛り上がりやニキビ跡の中央部に穿刺します。
極細の針なので痛みはほとんどありません。10分~15分程度で終了します。
・施術後赤みがでますが、痛みはほとんどありません。赤みは1週間程度でおさまります。
〔施術後のケア〕
・施術当日は保湿や日焼け止めクリームのみにしてください。
翌日からはお化粧をしていただいてかまいません。当日も、ポイントメイクはして大丈夫です。
擦らないように気を付けてください。
〔施術できない方〕
・ケロイド体質の方
・ペースメーカーを入れている方
・施術部位に金属糸または金属プレートを入れている方
〔考えられる副作用〕
色素沈着、紅斑
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VbeamⅡ
血管病変の治療に使用されるロングパルスダイレーザー(VbeamⅡ)は組織内にヘモグロビンが多いニキビの赤色瘢痕や肥厚性瘢痕を改善できるレーザーと言われています。平坦な赤色のニキビ痕で赤みが長引いている場合はレーザーの良い適応となります。
※保険治療対象外〔治療経過と注意点〕
レーザー照射中の痛みはゴムではじかれたような痛みです。照射直後はレーザー照射部に軽度の紫斑もしくは赤みをおび、その後皮膚が軽く炎症を起こしている状態になります。赤みがおちつくまでは10~14日間程度かかります。お化粧はすぐにしていただいてかまいません。ベピオゲルやデュアックゲル、ディフェリンゲルなどのニキビの外用薬は翌日からご使用ください。
〔考えられる副作用〕
レーザー後の紫斑(しはん)、水ぶくれ、色素沈着、紅斑
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ダーマペン4
ダーマペン4 効果:ニキビ跡や傷跡が目立たなくなる -
フラクショナルレーザー
CO2RE 効果:ニキビのクレーターの平面化 -
ピコシュアプロ
PICOSURE®pro 効果:ニキビ跡の改善
イソトレチノインについて
イソトレチノインはニキビの治療のための自費診療の内服薬です。ビタミンA誘導体の(レチノイド)というお薬です。イソトレチノインは先発医薬品がアキュテインという製品名です。アキュテインの他にロアキュタン、イソトロイン、アクネトレントという製品があり、当クリニックでは長年世界で安全に使用されているアクネトレントという製品を使用しています。
世界的には使用されている薬ですが、催奇形性の副作用があり厳重な使用管理が必要なため、ニキビに対して美容目的に安易に認可できないという理由から、日本では保険診療として厚生労働省に認められておらず、普及していません。
アメリカのガイドラインでは中等度~重症のニキビに推奨されており、抗生剤や外用剤を用いても治療が難しい重症のニキビの方にとっては有効な治療薬です。当クリニックでは重症のニキビの方にのみ使用しており、軽症または中等症の方には使用していません。
● 効果・効能
皮脂腺の退縮による皮脂分泌の減少、抗炎症作用
● 副作用
肝機能障害、脂質検査異常、精神障害(うつ症状)
内服前に採血を行い内服の適応があるかどうかチェックします。非常にまれですが、視力低下、急性肝炎、アナフィラキシーショック、スティーブンスジョンソン症候群、自殺衝動などが報告されています。催奇形性に関しての報告があるため内服中、内服中止後6カ月間は避妊してください。
美容(自費)診療は予約制です。